最近、琉球藍という植物への関心が高くなっています。
琉球藍は日本で栽培されている染料植物でタデ藍とともに注目されています。
ハンドメイド作家さんやナチュラル指向のかたが多くなり琉球藍を栽培する方も増えてきています。
私はフリマアプリで琉球藍の苗を販売していますが、購入されたお客様から色々な質問がとどきます。
琉球藍が沖縄県から鹿児島県をメインに栽培されていてどちらかというとマイナーな植物です。
なので琉球藍の栽培全般に関しての情報が少ないのが実情です。
今回は、家庭園芸として趣味で琉球藍の栽培を目指している方を対象に「琉球藍の家庭園芸栽培マニュアル」と題して記事を書きます。
こんな方におすすめ
- 琉球藍に興味があるが栽培に自信がない
- 琉球藍の栽培環境について知りたい
- 琉球藍の増やし方を知りたい
尚、この記事内には、「PR記事」が含まれています。
琉球藍の苗
琉球藍の苗の選び方
琉球藍は、タデ藍とは異なり種をつけません。
琉球藍を増やすには、栽培農家やベランダで栽培するガーデナーでも挿し木苗を手に入れる必要があります。
琉球藍挿し木苗を手に入れる方法
1.草木染め教室で聞いてみる
草木染めの教室では、藍染めがレッスンに採用されていることが多いです。その際にタデ藍か琉球藍が材料として使われます。
意外と琉球藍の苗の情報が手に入るかもしれません。
2.ネットやフリマアプリで調べる
ネットやフリマアプリで「琉球藍苗」や「琉球藍挿し木苗」で検索擦ると情報をゲットできます。
琉球藍・苗のチェックポイント
琉球藍の栽培をスタートさせるには、良い苗を植え付けることが大切です。
良い苗を見分ける条件
葉
葉は太陽の力を借りて栄養を作り出す大切な器官です。
深緑色の琉球藍本来の色を確認しましょう、
だらんと垂れているのではなく肉厚でピンと上向きの葉であること。
茎
茎は柔らかくなくしっかりと葉を支えていること。
植え付ける苗の高さは20cmを目安とします。
根
根は地上部の葉や茎へ水やミネラルを届ける縁の下の力持貧弱ちの役目を担う器官です。
特に琉球藍の根は比較的細い根の集まりです。根の発達の貧弱な苗を植え付けるとその後の栽培の進行が遅れます。
根張りのしっかりした苗を選びましょう。
琉球藍の苗の植え替え
琉球藍の苗は大まかに分けて・・・・
〇小苗
〇中苗
〇大苗
という具合に分類されます。
小苗や中苗は根張りを良くするために、一回り大きな鉢に植え替えることが大切です。
小苗や中苗は、庭に植えるにせよ鉢やプランターに植えるにしても徐々に一回り大きな鉢に植え替えて根を育てることが大切です。
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琉球藍の苗の置き場所
琉球藍は不思議な植物です。熱い南の国々から伝来してきたいわば、熱帯植物です。
トロピカルプランツである琉球藍は、直射日光に弱いのです。夏の直射日光を遮ることができない場所に植えられている琉球藍は葉をだらんと垂れて青息吐息です。
琉球藍の直射日光に弱いという性質は、プロの琉球藍栽培農家の方でもあるいは家庭園芸で琉球藍を育てるガーデナーのかたでも心得ておかねばならない基本です。
琉球藍の栽培農家の方は、ミカン園の中に植えたり昔からの谷間の日陰の多い畑で栽培したりしています。
最近は琉球藍の泥藍の不足により琉球藍を栽培する農家が増えてきているようです。
直射日光を遮ることができない場所に畑のある琉球藍栽培農家さんは遮光ネットを利用して栽培しています。
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琉球藍の家庭園芸栽培(寒冷地)
寒冷地:北海道、東北、関東、北陸、等
寒冷地では、冬の積雪のため琉球藍の屋外での栽培はできません。
庭の場合は、春に苗を植え付け夏に葉の収穫を行います。秋に枝をカットして挿し穂(挿し木をするためにカットし枝)を作ります。挿し穂を鉢やプランターに挿して室内の日当たりのいい場所で育てます。
鉢やプランターで育てる場合、春に挿し穂を挿し夏に葉の収穫を行います。秋に琉球藍の株の枝から挿し穂を作ります。その時の株は中頃からの枝は残し次の年の春まで室内で育てます。
挿し穂は別の鉢やプランターで育て春に新しい株として育てていきます。
琉球藍の家庭園芸栽培(中間暖地)
中間暖地:九州、四国太平洋岸
中間暖地での琉球藍の露地栽培(庭)は冬季に枯れずに株のまま越冬できることが特徴としてあげられます。
もちろん、中間暖地といえども地形的に山間部の盆地である場合には冬には積雪が長期になるような場所での戸外での越冬は難しいです。
中間暖地での挿し木繁殖は、3月から11月ごろまで行うことができます。(室内を除く)
琉球藍の家庭園芸栽培(暖地)
琉球藍の家庭園芸栽培(暖地)
暖地:鹿児島県南部離島 沖縄県 沖縄県各離島
暖地での琉球藍の家庭園芸栽培はストレスフリーで行うことができます。
どの時期でも挿し木繁殖ができますし栽培もどの時期でもスタートすることができます。
ただ、この地域の琉球藍の家庭園芸の問題点は夏場にあります。
日本全国の地域でも琉球藍の夏場の栽培は直射日光は避けなければいけません。
特にこれらの暖地地域での夏場の紫外線量は琉球藍の戸外栽培では致命的です。
琉球藍の家庭園芸でも、夏場の栽培は木の下での栽培や日陰を探すなどの対策が必要です。
日陰ができない環境ですと、専門栽培農家さんのように遮光ネットでの直射日光対策が必要です。
琉球藍の家庭園芸栽培(土選び)
琉球藍の家庭園芸栽培の土はどのような基準で選ぶのかという前に理解しておくことは琉球藍の根はどのようになっているかを理解することが大切です。
なので、琉球藍の根を掘り起こし見てみました。
画像でわかるように、細い根がびっしりと発達しています。
しかも、発達した細根は土の深さが20cmくらいの範囲で広がっています。
琉球藍を栽培する土は、「ふかふか」あるいは「ほくほく」が大切なのです。
「ふかふか」「ほくほく」は土が団粒化できているということです。
土のなかでは、植物の根と土壌微生物の作用で土を団子状にすることで水と空気を含み根を育てやすいようにする仕組みがあります。
この作用のことを団粒化といいます。琉球藍を元気に栽培するために農家でも趣味の園芸栽培でも一番の基本になります。
土のなかではそのほかに、虫やミミズあるいはカビ類などの作用で土壌粒子を集めて水はけがよく更に水持ちもよいいホクホクの土を作ります。
これらのホクホクの土に必要なのが有機物です。山の中のホクホクの土に供給される有機物は落葉です。
家庭園芸栽培での土の選び方
1.琉球藍を庭で栽培する場合
ホクホクの土にする場合は良質の堆肥を投入するのがベストです。
堆肥はホームセンターなどで手に入りますが品質を良く確認することが大切です。
特に畜産由来原料を使用している、木くずなどを使用している堆肥はよく発酵分解しているか確かめる必要があります。
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2.琉球藍を鉢やプランターで栽培する場合
琉球藍を鉢やプランターで植える場合には市販の園芸用土をおすすめします。
園芸用土は鉢やプランターで、すぐに植物の栽培が始められるように配合された用土でとても便利ですが店頭での品質にはばらつきがありますので製品についている基準をよくみて購入しましょう。
品質基準の確認
□どの植物の栽培に適しているか
□容量
□肥料が配合されているか
琉球藍の苗作り
琉球藍の挿し木
琉球藍は、花を咲は咲きますが種子をつけることができません。
琉球藍は挿し木で増やすのがベストです。
琉球藍は枝のどこを切っても発根してきます。
もうひとつ、琉球藍の枝の節には表面近くに根の元があり湿った土に触れると根を出して横に広がっていきます。
琉球藍の挿し木繁殖は、切断した面からと節の部分からの発根を利用するといい苗を作ることができます。
挿し木をする枝の状態を見極めることも大切です。株の先端の枝は組織が柔らかいので挿し木に適していません。
枝が固く組織が充実している枝を採取して穂木(挿し木をする枝)にしましょう。
琉球藍の挿し木用土
琉球藍の挿し木用土は、次の条件を満たす土を選びましょう。
1,清潔な土であること
2.水はけがよいこと
3.肥料成分を含んでないこと
琉球藍の家庭園芸栽培の挿し木用土としては赤玉土と鹿沼土が適しています。いずれもホームセンターで普通に販売されています。
いずれの土も粒の大きさで選別されて販売されています。挿し木用には中粒が使いやすいです。
赤玉土
鹿沼土
いずれの土も単用かそれぞれを等量で混ぜて使用するもいいです。
琉球藍の挿し木の管理
琉球藍の挿し木苗の栽培管理
1.挿し木完了後苗床は日の当たらない場所で管理
2.水を切らさないように水やりに注意
3.夏場は30日で発根
4.育苗ポットに根が回ってきたら一回り大きな鉢に植え替える
まとめ
1.琉球藍家庭園芸栽培のビギナーの方に向けての簡単なマニュアルを作成しました。
2.お住いの地域での気候の違いによる栽培方法をお示ししています。
3,琉球藍は栽培しやすい植物ですが、挿し木の方法に慣れることによりより楽しむことができます。