ニイチェアXが世にでたのは、50年ほど前のことです。
発売から20年ほどでニイチェアXの存在を知り買い求めました。
つまり我が家の家族とニイチェアXとの付き合いは30年になります。
始めてニイチェアを見た時になんとなく家庭用の椅子にもかかわらずアウトドアの雰囲気を漂わせているように感じました。
それは椅子の外観もそうですが折りたたんでどこにも簡単に移動できるという機能性もやはりアウトドア的でした。
気に入り買い求めてはや30年の月日が流れました。家での寛ぎの時間に常に傍らにいたニイチェアXの現況を報告します。
ニイチェアXを座る道具として選んだ理由
①おしゃれなデザイン
②持ち運びができる
③座り心地がいい
④シンプルな作りで堅牢
ニイチェアXを選んだ詳しい個別の理由
おしゃれなデザイン
30年ほど前は会社勤めの傍らアウトドアが趣味で登山、キャンプ、シーカヤックなどを楽しんでいました。
特にキャンプにはアウトドア用の椅子が必要でアウトドア雑誌やネットで調べていました。
イギリスからの通販で細い木材をフレームが作られていてキャンバス地の布を被せて使用するものを購入。フレームも折り畳みことができキャンバス地の布とともに袋にいれ携行できとても気に入り使用していました。
最初に家具店でニイチェアXを見たときにアウトドア用の椅子のイメージが湧きあがりました。
シンプルなスタイルを引き締めているのは両脇の太い肘置きの木材のバー。
旧モデルなのでナラ材でできていて木材は固く湿度などで変形することもありません。
手の油で使用するほどに艶がまし年を経る程存在感を増し愛着が湧いてきます。
特にニイチェアで素敵なフォルムというか椅子にアクセントを与えるのが組み紐です。
組み紐は刀剣に使われたり、剣道具の面を固定する紐であったりとても丈夫なものです。
本来はニイェアXをしまうために両方のバーを固定するためのひもなのですが椅子の全体のフォルムのなかで組み紐がぶらさがっているのをみると椅子全体が凛としたたたずまいになる気がしています。
居合道を演じる剣士が演武の前後に長い刀の組み紐を丁寧にさばき整えてそれから礼をする。
世界に広がって愛用されているニイチェアXだけど日本の武道で愛用されている組み紐がさりげなくさがっている椅子。デザインのなかのワンポイントです。
徳島の剣道具製作所に生まれたデザイナーの新居猛氏ならではの発想と着眼点だとおもいました。
そして組み紐の頑丈さは購入後30年経過した今でも強度に何の変化もありません。
昔の侍が命を預ける刀剣の一部として使用されていた組み紐には強度が求められます。ニイチェアXの小さな部品である組み紐は30年経過しても現役で使用できています。
メーカーは、現在でも組み紐を個別に販売しています。このような細やかな心使いはニイチェアの愛用者としては嬉しいことです。
持ち運びができる
ニイチェアXは6.5kgの軽い椅子ですので女性でも持ち運びができます。
我が家では、ニイチェアXはテレビやDVD観賞の必須アイテムです。
心地良い風が吹く時は窓辺に移動してお昼寝タイムを楽しみます。
コーヒー飲みながら読書タイムもお気に入りの一つです。。
この持ち運びができ家のなかのお気に入りの場所でくつろげるのはなかなかのメリット。
制作デザイナー新居猛氏の面目躍如です。
くつろぎタイムが終わればさっと折り畳んで部屋の隅に立て掛けておく。
洋室でも和室でも違和感はありません。
座り心地がいい
昔、腰を痛めたことがあり車の座席やくつろぎで使用する座椅子やソファーなどは腰にいいものを探していましたがなかなかいいものがありません。
ニイチェアXに座りはじめてからは腰の筋肉への負担が減り徐々にぎっくり腰の起こる回数が少なくなってきました。
背骨の自然なカーブに合わせたニイチェアXのフォルムはデザイン的にも秀逸です。
何よりも身体全体が包まれるような感覚があり長時間座っていても疲れません。
座ってみると体重が各部分に適度に分散されているのがよくわかります。太もも、腰、背中と帆布との接点が帆布の心地よい反発力で支えられている感じでしょうか。
特に腰に対しての違和感もなく太ももも長い時間座っていてもしびれません。
あまりに座り心地がいいので、ついついうたた寝へと移ることが多くてスリーピングチェアになってしまいます。
座り心地はいいのですがしばらくのリラックスの時間を過ごし、いざ次の仕事へとニイチェアXから離れ立ち上がろうとすると少し立ち上がり難いのは残念な所ですね。
若いときはあまり感じなかったのですが、シニアになってくると少し不便に感じます。でもシニアにとってはどんな動作もそうですのであまり大きな声ではいえません。
その立ち上がり難さを解消するためにロッキングチェアタイプが発売されているとは聞いています。
私なりの立ち上がり難さの解消は、一旦お尻をニイチェアのシートの先端に移動しそれから立ち上がっています。
シンプルなデザインで堅牢
ニイチェアXを使用して30年になりますがどこにもガタがきていません。
ニイチェアXのシートに使用している布は有名な帆布メーカーのものが使用されています。
30年使用しても帆布の強度にはなんの問題もありません。シートを支える骨組みのパイプにもがたつきはありません。
ただパイプのところにわずかな塗装のふくらみがあったりちょっとした錆がみられるのは経年変化としては仕方ないかなという感想です。
30年間使用している椅子を片付けるときの部品である組み紐も今現在、現役で使用できます。
やはり日本の物つくりに対する細やかな心配りと材質へのこだわりは素晴らしいものがあると思います。
命をかけた剣という道具を裏で支える組み紐という技術。それを体と心をいやす椅子にさりげなく取り入れる感性。
丈夫な組み紐でありながら部品を今なおメーカーで準備保存しているメーカーの姿勢にもいいねをつけます。
まとめ
ニイチェアXを愛用して30年になります。まるでアウトドアチェアのようなたたずまいながら部屋のなかでゆったりとくつろげる椅子です。
目的に応じて部屋を移動して利用できる軽さも魅力です。
30年を経てもパイプの塗装の表面がわずかに膨れて細かな錆が見られる程度です。
帆布や肘つきバー、各部のネジなどどこもガタツキがなく普通に使用できます。
ニイチェアXは部品の供給を受ければ親から子、子から孫へと受け継いでいける日本の椅子の名品と言っても過言ではないでしょう。